家事と「後処理」—「MAMA MARIA を読んで」


twitterでも絶賛してましたが、蜷川実花さんの巻頭言に惹かれてこの本を買いました。

色々色々良かったのですが(私はもう少し美容を追求すべきであるところも含めて)、一番良かったのが、生後3ヶ月から6歳まで実花さんを「ハウスハズバンド」として育てたという蜷川幸雄さんのインタビュー。
男性には買いがたい雑誌ですが、これは是非男性に読んでいただきたい。

ということで印象に残った箇所を一点ご紹介いたしたく、簡単にエントリに起こしております。

  • 「後処理」の大切さと当事者意識


  • だから、世のお父さんたちに言いたいです。生活の中でちゃんと役に立っていかないとダメだぞと。イクメンにならなくてもいい。やりすぎなくてもいいから、手伝うなら、後処理をちゃんとやってあげるといい。洗濯物をたたむ、しまう。食器を洗って元通りにする。やりっぱなし、食べっぱなしが一番ダメです。後片付けをすることが大事。


    これは本当に大事だと思います。片付ける場所をちゃんと分かっていて、自ら片付けに動けるだけの意識があれば、自ずとその他の家庭のことにも目配りができておりましょう。
    人口に膾炙した話だと思いますが、
    「手伝うよ」
    と言われるのは本当に悲しいことです。育児もそうです。
    育休を取ってくれればそれはそれで嬉しいかな、と思いますが、それよりも、復帰した後、病気で休む必要があれば分担し、お迎えを気にして仕事をしなければならない状況を分担し、子どものしつけや教育を分担してくれる方が重要なんではないかと思います。父も母も当事者なのです。
    その当事者意識が、「最後まで終わらせよう」というところに考えを及ばせる、ということを、本インタビューで再度認識いたしました。本当に一読の価値があります。


    その他、川上未映子×蜷川実花対談の、
    「子どもを持たない私でしか到達できなかったところも絶対あった」
    「そっちのことも忘れたくない」
    というのがすごく響きました。
    分かる。分かるからこそ、そうだと思うからこそ、子どものいる自分、というものに依拠しすぎてはならない、と私自身に関しては思うのです。


    最後に一点。
    蜷川幸雄さんがハウスハズバンドだった、ということで、お母さまはずっと働かれていたわけですが、実花さんはこの本で、お母さんに「愛された」という記憶しかない、愛された記憶さえあれば大丈夫、ということを複数回書かれています。
    結果的にどうなるかは、正直、その他のファクターも入ってくるから分かりません。
    ただ、人間は様々だし、そして強いし、環境は流転します。
    とはいえ少なくとも、私自身が真摯に、全力で生きている姿は、いまの4歳児にもしっかり伝わっています。本当に、よく私や夫のことを見ていてくれます。

    甘えず、媚びず、子どもに対しても真剣に生きる。
    その姿勢ができていれば、あとはそれぞれにやりやすい子育てでもいいんじゃないかな。そう再確認させてくれる、素晴らしい雑誌でした。