これから生きていく上で何があるかは分からないし、環境も為したいことも変わるだろうけれども、ひとつ目標とするところがある。
を、気が滅入ったり迷ったりすると読み返すことにしている。
そのなかの一節、美恵子60歳、もう身体は病み、死を身近に感じる中で。
(前略)N*1は毎日やさしくしてくれ、「みみ*2のおかげで今日の僕はあると本当に思っているのだよ。どうか大事にして生きていてくれね」と言って出かけて行く。私は仕事よりも彼のために生きて――それもふつうの精神を保って生きているよう努力せねば、とあらためて思う。自分にとって生も死も同じみ手にあると思っても、Nにとってはやはり大差があるのだろうから。
こう言われるような、言えるような日々を生きるのが目標。
私ひとりの努力でできることではないけども。