法務としてどう育つか

BUSINESS LAW JOURNAL2012.5月号の、「いま対処すべき人材育成・評価の課題」を読んでいて、企業法務1年生(でも法律マニアではある)後半を迎えたわたくしの今後への姿勢について、ちらっと考えたのでメモしておく。 「数字として成果が表れず、お客様を目の前に仕事をするわけでもない法務は、特に若手にとってモチベーションが保ちにくいように映る」(P.23)という問題はすごく分かる。確かに、自分が頑張って作成した契約書がちゃんと取引の実体を反映していて、交渉の結果、締結に至れば、それはとてもいいこと。 しかし、私個人の感覚では、そこはあまり重視していなくて、むしろ気づかれずに完全なる縁の下の力持ちをできたときの方が充実感がある。 モチベーションは、自己のスキルが上がったという自己評価の一点のみから得られており、会社員としてやはり上司に評価してもらう必要はあるし、今後の方針等も相談するけれども、対他人に評価されることはモチベーションにはつながっていないな、と最近実感している。 そこが、次に目の止まったフレーズにつながるわけだが、 「法務・コンプライアンスという専門部署のメンバーは自己の専門分野のみしか見えなくなり、会社への貢献という観点を見失ってしまうことがあるが、これは是非とも避けてほしい事態である」(P.30) というのはあり得ると本当に感じる。 かといって、やはり企業の一員であるという中で、会社に貢献していない、というのは忸怩たるものがあるし、専門を極めることで給与をいただいているわけではないので、そのあたりはやはりわきまえねばならない、ということかとは思う。 この、 ・他者から評価されにくい ・求道者のごとく自己の専門を突き詰めてもいけない という二面性から解き放たれることがないのが企業法務の特徴なのかな、というのが昨今の感覚で、私は、そこにフラストレーションを抱き始めているのかもしれない。 このあたり、他の方がどのように考え、どのように進んでこられたのか、うかがってみたいと考えている。 ということで、今春からは、業務と育児とのバランスをとりつつ、法務畑のみなさんとお目にかかれればな、と思っているので、飲み会や勉強会等、機会があればお声掛けいただけると幸甚。