政治制度としての陪審制――近代日本の司法権と政治

門外漢であり、全部通読できるか・正しく理解できているかは自信がないが、これは面白い。 http://www.utp.or.jp/bd/4-13-030125-X.html 陪審制が政治制度として・社会に対してどのような意義を持つか、というところはこれまでのわたくしの理解の範疇に何とか入るのだけれども(この書籍自体もやはり、司法制度改革の時に参照されている:http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai43/43gaiyou.html)、それよりも、平沼騏一郎の指揮によって検察による政治疑獄事件(日糖事件)の直接捜査が行われ、検察(そして司法)の威信を高めたということ、そこに端を発する原敬のイニシアティブによる陪審制の推進…というところまで読んで、その政治的駆け引き等々のところが大変読み応えがある。 ということで夏休み読書として少し取り組んでみようと思うのだが、冒頭部の印象に残ったところを抜き書き。
いかなるプロフェッショナルの場合でも、アンプロフェッショナルな要素が介入してくる場合には、プロフェッショナルの側はしばしばこれを「悪」と見る。しかしこれは実はプロフェッショナルが存立して行くための必要条件なのであり、文字通りの「必要悪」としてアンプロフェッショナルな要素を導入することが必要であろう。(P.25)