世界に対して如何にてこを使うかについて

たまに採用面接の面接官をするのだけれど、そこで繰り返し私が聞いているな、と思ったことから。



私の仕事の性質上、結果が出るのにすごく時間がかかるのみならず、本当に自分の仕事に意味があるのかについて目の前の事象からは確信を持てないことも多い。

普段、直接的にドラスティックに物事が動くような形での働きかけはそんなにしない。相手方に感謝されることもあるけれど、そこが本質であることはなかなかない。
私個人の志向を述べれば、多少不遜であろうとも、私は、目の前のことを片付けて、そこで褒められたり感謝されても嬉しく感じないというところを持っている。

目先の課題が解決されたように見えることよりは、長い目で見つつ動かすこのてこを、いかに適切に動かすかを考える方が好きだということが分かった。世において唯一無二の正義も真実もないと思っているけれど、とはいえ、私の信ずるところを、曲げずにやれてはいると思う。

そして、いま我々が少しこのてこに力を適切に入れることができたら、すごく大事な部分が、微かにであっても未来に資する形で動きそう、という、そういう確信を持てる仕事ではあると思っている。(無論、今の仕事だけがそれをできるというわけでもなく、そういう働き方は、いろんな場所からできると思う)

この迂遠さに耐えられますか、そこに価値を見出せますか、と聞いて、私が価値を見出している部分に少しでも感応してもらえれば嬉しいな、と思って、面接の際はお目にかかっている。