去る8月24日、第二子となります二女を、 予定帝王切開にて出産いたしました。
ありがたいことに母子ともに健康にしております。
ここで、前回の記事などをお読みいただいた方は「あれ?」 とお思いかもしれません。
そう、今年6月に私が書いたのは
であり、私は、 育児しつつ、 とある企業で出張もあるような仕事をしておりますし、 同時に現在、某大学院の博士前期課程の2年に在学しております。
このような状況ではありつつも前回記事の時点で妊娠後期に入って おり、大絶賛・業務引継中でございました。頼りになる後任、 協力的な上司、好意的な同僚…という、 とてもありがたい環境に恵まれ( これだけでも転職した価値があった)、7月に産休に入り、 何とか大学院の授業も出席し終え、 無事今月出産を迎えることができました。もちろん、 自ら頑張ってこの環境を作ってきた、という部分はありますが、 特に妊娠経過に関して言うと神のみぞ知る、 というところが大きく、 準備や努力ではいかんともしがたい分野であるにもかかわらず、 大変順調かつ多少の無理が利く状況を保つことができ、 すべてに感謝したい思いでいっぱいです。
と、殊勝なことを書いてはいますが( 本心からこう思っていることも事実です)、まあ、転職して2年、 大学院在学中に出産、 というのは客観的に見ると詰め込みすぎじゃろう、とも思います。
が、
転職と出産
まず、転職時点で33歳だったので、 もう一人産むならこの数年だな、と思っておりました。 転職の時から、上司にも人事にも「 もう一人産んでもいいかなと思っている」ことは口にしており、 今回会社のみなさんは喜んでフォローしてくださったので、 本当にありがたいと思っています。
一方、もちろん仕事をするために転職しましたので、 転職後の1年は仕事に邁進しました。 初年度としてはある程度の貢献はできたと思いますし、 自分に足りない部分も意識するようになりました。私は「 嫌ひなものは嫌ひなり(三橋鷹女)」 というタイプで嫌なことを我慢できないのですが、 少しは耐えられるようになったのと、「 やりたくないなら別の能力をさらに磨いて平均値で勝負する」 ことを目指して自分にしかできない種類の努力を続け、 一定の立ち位置を社内でも持てるのでは、と思った段階で、 周囲の状況を見て、 人員的にも1年弱休んでも大丈夫そうだったので第二子を持ちたい と思いました。
家庭と出産
とはいえ仕事だけが考慮ファクターではもちろんなく、 上の娘が小学校2年生になる、というのもありました。 小学校生活にも慣れましたし、いい学童に恵まれて妊娠・ 育児期間の宿題等もあまり不安なくいられること、 何より上の娘自身がずっときょうだいを欲しがっていましたので、 生まれたら生まれたで何とかなりそう、という環境もありました。
学問と出産
加えて、大学院の取得単位数的にも目途が立ちそうで、産休・ 育休期間に修士論文を書くことさえできれば修了できるだろう、 という計算がありました。これは、 およそ2年前の大学院受験の時点で簡単にガントチャートを引いて みて、この期間に産めればすごく助かる、 ずれ込んだら修了延長をこの期間でかけて… という何パターンかを検討した上で、 転職直後だけれども2016年4月には進学しておくべきであると 判断して入学しました。
今後の課題
そして、当然ながら仕事復帰を企図しておりますので、 上の子のときに見事敗北し、 最終的に6つの園に通うこととなった保活、 こちらにも再度向きあわねばなりません。 一応来年の4月の0歳児での入園を狙い、6ヶ月~ の保育園を選択肢に入れるために9月までには生まれて欲しい、 とは思っていたのですが、 こちらもまたありがたいことに8月生まれになってくれました。 とはいえ厳しい世界ですので、情報収集に努めたいと思います。
まとめとして-私には制約が要る
以上、自分で書いていても「ああ、 この辺からこういうこと考えながらやってたな」 という新しい発見があるくらいに色んな画策をしながら臨んだ今回 の妊娠出産ですが、基本的には「上の娘もかわいい(あと面白い) し、もう一人いてもいいかもな」 と思えるようになっての結果であり、 新生児とこの数日過ごしてみて、 前回の経験も思い出しつつ育児を楽しむ方向に行ければ、 という思いを新たにしております。
ちなみに、前回の出産時にはマックス・ウェーバー「 職業としての政治」を入院中読もうと思って持ち込んだのですが、 今回は「神谷美恵子日記」と「自省録」を持ってきました。
神谷美恵子日記はこの10年で読み返しすぎてぼろぼろになっております。
私はロールモデルなどは持たずに生きておりますが、自分がどういう考えで、どういう感情で生きているかを折々に見事に言語化してあって、私自身にとっては本当に座右の書です。(とはいえ万人に勧めるわけではありません)
ということで、10年前に傍線を付していた一節を抜き書きつつ。
「生命力の氾濫する私には制約が要る。たとえ身を刈り込まれる苦痛はあろうとも、すすんでいさぎよくこの制限を受けねばならぬ。まず女としてのつとめを全うし、而してのち初めて人としての資格も出来るのだろう。」(1946年5月30日)
妊娠出産は、否が応でも自分の性と動物としての機能に向き合う時間で、色々と突っ走りがちな私にとって、妻であり母であることでの制約は、ある種の恩寵であると思っているところが私にはあります。とはいえ、だからといってやりたいことはやるし、成し遂げたいことは成し遂げるのですが。
ひとまずここから数ヶ月、身体を休めつつも、私らしく育児と勉強を始める期間を過ごしてまいりたいと考えております。
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