ひがみっぽさや黒さがあふれ出て止まらなかったので、「神谷美恵子日記」を再読した。
「善意に! 善意に!」
と自分に言い聞かせている。
でもこれは本当に、自分に自信か安定がないとできない行為だ。
だって、他人が何かしてくれることを期待しないということだもの。
私はやっぱりまだ期待してしまうから、最近とみに交友関係を広げなくなった。
友達に会う回数も激減した。
本来ならば、人に揺るがされようとも揺るがず、お互いにいいところだけ交歓しあえれば一番なんだけれど。
おそらく私は信仰を持つことはないけれども、あれだけ忌避していたものに、いま人生で一番近しさを感じる。媒介としては一つの手法なのだろう。どことなく沈みつつ会社に向かうとき、地下鉄の駅から地上へ出る途中にiPodでモーツァルトのレクイエムを聴くと、救われたような気持ちになる。ただそれだけで、それ以上に深まることはないんだけれど。