K2とスーパードクターKのエモいエピソードをまとめて吸うための推奨ルート(一也と宮坂さん寄り)

再度の(注1)当ブログの普段のトーンと違う内容になるかもしれません。というか多分なります。
(注2)紹介のためAmazonリンクを使う場合がございます。一応Amazonアソシエイトに入ってますので、事前に申し上げておきます。参照用に貼るだけなので全くもってここから買う必要はございません。

はじめに

継続してK2にハマっています(挨拶)*1
ただ、こんなに面白いものに出会ってしまったので…と隙間時間にすごい繰り返し読んでる*2うちに、
この順番で読むと(私にとっては)奥深い
というルートがちょっと見えてきたので、自己満足を込めつつメモしようというのが本エントリの趣旨です。

2周目以降の方、もしくは、「一也くんと宮坂さんというすごいいいカップルがいるらしいので促成栽培で吸いたい」という方向けのみのルートです。
なのでネタバレ満載です。

今から挙げるルートのみで行く場合、
スーパードクターK - Wikipedia(以降SDKとする)
K2 (漫画) - Wikipedia
なども踏まえ、連載における最初のK(祖先やお父さんたち除く)のKAZUYAと、K2世界における神の如き第一主人公の一人先生について認識した上で進んでください。
あと、参考になるか分かりませんが、先日私がパワポ作成リハビリで作ったK2曼荼羅をご覧ください。


ちなみに余談ですが一部で話題になってた「一人先生が華奢」概念については、第27話「麻酔(後編)」で車を持ち上げているシーンを読んで、黒い長袖が収縮色だからシュッとして見えるんじゃないかと思いました。

ルート

一也の出生

多分、ちょっと邪道ですが、K2で
K2 - 真船一雄 / 第13話 分身 | コミックDAYS
K2 - 真船一雄 / 第14話 覚醒 | コミックDAYS
を読んだ後、

で一也の初登場を読んでみると味わい深いです。この9巻は一也観点で前作を読む際は必須文献です。これ読んでないと、麻純ママがただ単に素敵なお母さんに見えます(許嫁だったけど結ばれなかった相手のクローンを産んじゃう結構すごい設定の人です。しかもこれ、若気の至りって歳じゃないはず多分)。

少年一也、T村での生活開始

無論、誘拐されかけて親元を離れN県T村に移住、富永先生を兄と慕うようになる過程も大事なのですが、今回の趣旨としてはやはり「帰郷(55-58話)」で村井さんから自身が先代Kのクローンであることを告げられショックを受けた上で、まだ小学生の一也が
「僕の命を認めてください」
と絞り出すシーン*3を見ておく必要があります。あとから効いてきます。

小学生、医師を目指す背景

元はドクターKの「息子」として、クローンであることを知っても継続して、一也は医師になることを視野に入れつつ、優等生かつ朗らかな子どもとして育っていくわけですが、小学生を終える時期、相馬先生との出会いがあります。

  • 二人のレシピエント(62-64話)
  • 移植医療(72-74話)

ときて、最後、

  • スペア(85-89話)

において相馬先生関連の物語、そして闇のクローン組織との関わりはクライマックスを迎えた上で、一也は
「僕は医者になる」
と誓います。これも、200話以上経ってから*4一也にとって大きなできごとであったことが確認できますし、直近、作品世界でもリアル世界でも15年経った後にこのエピソードが再登場*5、先日までの全話無料公開で形成されたK2クラスタを震撼させています。

中学生の時期のエピソードも十分面白いですが、とにかく一也くんが優秀で人望があって優しくて、しかし年相応の中学生らしさがなく*6、医学に邁進しているという時期ですので、泣く泣く割愛します。

高校生、運命の出会い

ここはもうかなりの場所で語られている、一也と完璧で究極のヒロイン宮坂さんとの出会いが高校編のクライマックスです。
急速に距離が近づいていくので、

  • 拒絶(169-171話)
  • 屈折(176-177話)
  • 聞こえざる音(183-184話)

と来て、高校1年生が終わります。
Twitterで感想を読んでいてもよく指摘されているところですが、それまで比較的同年代との人間関係においてはしっかり者、誰とでもうまくやれる感じだった一也が、169話の開始4ページを読むだけで宮坂さんにぐいぐい行き過ぎなところからして面白いですし、170話では高校1年生の夏休みのうち20日間くらい宮坂さんが診療所に入院してたという時点で甘酸っぱい感じがあるし、前エントリでもメモしたとおり
blog.coquelicotlog.jp
171話はSDKのオマージュですので、これが!K2のヒロインなのだ!!と噛みしめつつ読んでいけるエピソード群だと思います。

ついでに寄り道がてら冨永先生卒業エピソードとなる「岐路」を読んで、個人的には人生で読んできたフィクションの中でも屈指の名エピソード、

  • 啓発(195-201話)

の特に200話に到達いただきたいです。
前述「帰郷」での小学生のころのエピソードを踏まえ、さらに最後は涙を浮かべつつの一也の独白に対し完璧すぎる返答をした宮坂さん。主人公のパートナーとしてはある程度ここで到達しちゃうくらいなんですが、彼女の活躍と本領発揮はここからです。高校時代、とにかく下校は二人で帰ってるし、宮坂さんが医学部受験を決めてからは、センター試験ほぼ満点・滑り止めなしで理三を受ける学力の一也が放課後はずっと数学を教え続けてるのも微笑ましいです。

高校生編はここから先、今後の重要キャラ譲介が出てきます(そしてドクターTETSUも)が、今回は敢えて割愛します(彼にフォーカスして読んでもとても面白い、いろんな味わいのあるのがK2)。

医学生、青春の日々

奇跡的に宮坂さんも帝都大学の理三(医学部)に合格し、その後帝都のトップ7として知られるようになる仲間たちと楽しく過ごしながら研鑽を積む(図書館で泊まり込みで勉強しているエピソードが普通に出てくるのがよい)日々に入ります。麻純さんが「運命などに縛られずに学生生活を楽しんで欲しい」と入学時(230話)に祈っているの、後から振り返るとぐっときます。。

私は医学生編大好きですのでいろいろ読み返してますが、学生生活前半としては、

が完全なひとまとまりとなっており、この巻は帰国したら紙で欲しいです。
将来を見据え、自身の元となったドクターK、KAZUYAの足跡をたどる「揺らぎ」(252-260話)、そして合宿(261-262話)で構成されています。
「揺らぎ」の最終エピソードは、KAZUYAにおけるヒロイン・七瀬先生の今を描くもので、前作をちょっと知ってる私としても「こう来るの?!」というかなり重いものになっています(下手に縮約したくないのでこの辺りで)。
ラスト、七瀬先生が一也と別れの挨拶をする際に握手のあと抱きつくシーン、SDKでの二人の結末(KAZUYAの伝え方がほんとどうかと思う…)を読んでみると得も言われぬところです。
スーパードクターK - 真船一雄 / カルテ9 一夜の出来事 | コミックDAYS

で、それを受けて、「合宿」ですが、背が低すぎて自転車に乗れないという上手い持って行き方で一也と宮坂さんに自転車二人乗りをさせ、「揺らぎ」期間にふさぎ込んでいた一也を心配していたと宮坂さんに告げさせ、KAZUYAさんのことを私も知りたいと言ってもらった瞬間、「さァつかまって 坂道だ とばずぞ!」と呼びかけてそれまで荷台を持っていた宮坂さんが強く一也の腰に抱きつくという超甘酸っぱいつくりになっております。
ここまで、精神的なつながりが限りなく強いのは明らかだけれどいわゆる恋愛的なものなのかは微妙で、少なくとも抱きつくようなところはなかった(はず)の二人なので、七瀬先生とのエピソードを経て初めてそういうものが出てきたわけですが、さらにこの「合宿」の最後は、意識せず一人称が「僕」から「オレ」に変わっていたのを宮坂さんに指摘されて照れて慌て、「これから気をつける」と少し落ち込んでいた一也が、「かっこよかった」と言ってもらってその後ずっと一人称を「オレ」にしてしまうという、どうやったらこんなエピソードを1ページで綺麗に描ききれるのかと頭を抱え込んでしまう締めなので、ほんとこの巻は紙で欲しいです(2回目)。

追記:うっかり勢いで書き忘れてましたが、「イカロス」(308-311話)も超重要エピソードでした。磨毛先生グッジョブ。

命の番人

ここはもう普通に全部読みたい。ここだけで語れることがいっぱいある。
敢えてひとつ挙げると、335話の手術シーンが今のところK2のなかでの一番心惹かれる手術シーンです*7。この後の医学部最終年→研修医展開も考えると、これがK先生と弟子たちのひとつの始まりなんだと思います。

そして一也くんは放浪に入ってしまい、大きなエピソードとしても破留島編→富永総合病院編→ティガワール編があり、ここはここで面白いのですが今回は敢えて割愛します(2回目)。

医学部卒業、T村での日々

一也が村に戻ってきてすぐ宮坂さんを呼んであげるK先生、コロナ禍で大学に戻れない間に診療所での修業をオファーするK先生(379話)、実は高校生のときからかなり宮坂さんに目をかけてると思います。
で、1年ぶりの再開で二人になった瞬間、ついデリカシーのないことを言って宮坂さんに怒られ、すっごいガタイなのにむっっちゃ小さくなってる一也が一瞬で戻ってくる、この過程をどうやったら1ページで綺麗に描ききれるのかと頭を抱え込んでしまう(2回目)のですが、さらに、急患を往診に行く際に自転車二人乗りを(ギャグ交えつつ)折り込み、身体的な近しさも一瞬で放浪前と同レベルであるように描写してしまううまさにうなります。
その次の380話でちゃんと、譲介に茶化されて「オレは不純異性交遊などしない…!」という迷台詞を一也に言わせ、彼が宮坂さんに抱く想いを一瞬で示してくるのも本当に上手いです。
加えて、384話で執刀医と助手が自然に入れ替わる、395話の阿吽の呼吸と、多少離れていた期間があるというのにむしろ息が合うようになっている、ニコイチ度合いは増しているように描いているのもまたよいです。そういう医師としての実力的なことだけでなく、宮坂さんのお父さんと一也の間でとある約束をさせちゃう(385話)のなどを見ても、前作とは違う人間関係を描写しようとしている感があります。
前作主人公KAZUYA・七瀬・麻純さんについては三角関係にすらなりませんでした…。
スーパードクターK - 真船一雄 / カルテ1 大波乱 | コミックDAYS
むしろ、高品先生と斉藤さんの方が今の也宮に近いエピソードがある(例:肘鉄を入れる、付き合ってないけど同じ職場で働く、「あまり突っ走らないで相談して欲しいな」という台詞を言う)ので、前例踏襲して交際0日プロポーズエピソードとかあったらむっちゃ沸き立ってしまうと思います。
スーパードクターK - 真船一雄 / カルテ2 愛のゆくえ | コミックDAYS
スーパードクターK - 真船一雄 / カルテ3 女の決断 | コミックDAYS

高品総合病院での日々

いま、連載は高品総合病院編に入り、前作の重要人物にして最終回を締めた高品先生と息子の龍太郎が登場、研修医のトレードが行われる、という状況にあります。
前作のような破天荒さは薄れたものの、物語としての面白さは全く衰えていません。もうちょっと宮坂さんの異能さも打ち出して欲しいなとちょっと思っていますが熱心さや優秀さは440話でも出ていますし、新たに出てきた谷岡先生がいいですし。

で、一也と宮坂さんに関して言うと、一部T村にいた際のエピソードも混ざりますが、
宮坂さんが一也をエコーの練習に付き合わせる(419-420話)→宮坂さんが(麻上さんの夢の中で)ドクターKのマントを着る(422話)
など、小ネタを交えつつ距離感はプレートテクトニクスレベルかもしれませんが近くなっているように思います。
そんな中で、本当に無駄ゴマを描かれない(ずいぶん前に描いたものを踏まえてセルフオマージュされることも多々)真船先生が441話で2ページもエステ施術中の宮坂さんを描き、エステの効果に気づかない一也に怒りまくってる宮坂さんの描写を入れたのは結構注目していて、前項の内容も踏まえ、近いうち何らかの展開があるのではとちょっと期待しています。

終わりに

正直自分でも何で6000文字も書いたんだろうと思っていますが、5月末に駆け込みで読めたおかげで久しぶりに仕事と育児と研究以外の感性が生き返って、他の領域にも生きるハリを付加できているので、今後もまた興味のままに語らせていただけますと幸いです。もし面白そうだと思ったら、読めそうなところから読んでみてください!

*1:でもちゃんと学会報告資料の準備してプレゼンテーション作ったりもしています

*2:Twitter滞在時間がちょっと減ってたので週末に障害になったときの困り具合が「ファンアートを探せない」くらいしかなかった

*3:K2 - 真船一雄 / 第57話 帰郷(その3) | コミックDAYS

*4:K2 - 真船一雄 / 第352話 海の空(その9) | コミックDAYS

*5:K2 - 真船一雄 / 第452話 止まった時間 | コミックDAYS

*6:K2 - 真船一雄 / 第132話 シャドー(前編) | コミックDAYS

*7:実は次に好きな手術シーンは391話の深見くんのお父さんの「救急室開腹を宣言する!」「井元!突っ込め!」って2ページです。