松尾剛行著『ChatGPTと法律実務』メモ

7月末にフランスより帰国いたしました。
生活環境をかなり整え、次女が登園を開始しましたので、私にとってのパライソ、大型書店に行きましたところ、

が棚にたくさん展示してありましたので(発売日だった)大喜びで買って帰り、まずは目を通してみました。
自分の今後の思索に向けたメモとして断片を残します。

  • 「吟味能力」(確認・検証能力)が重要になる(P.259)のは弁護士や法務パーソンのみならず所謂プロフェッショナルワーク全般に言える
  • テクノロジーに対する姿勢について懐疑的であるのも確かにポリシーたり得る(P.291脚注)が、懐疑的であるからこそある程度新技術を使ってみることが大事になると私も思う(リスクについて検討する立ち位置の職掌にあってラガードでいるとリスクテイクすべきところでし難くなるのではないか)
  • 全体読んで、本所の各所にも出てきた(特にP.348周辺)が、ChatGPT的なものを利用して仕事を行うことで教育の機会や手法は確実に変わる。個々の理解度や特性に合わせた教育がテクノロジーの利用により可能になると同時に、これまでのOJTで得られ、かつ「吟味能力」の醸成に必要だった要素を取り落とさないという観点も、教育において必要になろう
  • 法務部門への業務の集中化⇔事業部門への法務機能の分散、という議論については(P.343脚注)、当事者としてでなく、研究上、企業内における専門職の役割に関心を持つ者として着目すべきところかと思われる。法務の専門知識を有する人が事業部門として区切られるバウンダリーの内にいる、ということの意味合いと、法務部門として区切られているところから働きかけることとの差をとらえられればと思う