フランスのデモと行政裁判所(tribunal administratif)と

5月8日はヨーロッパ戦勝記念日で、リヨンではレジスタンスの英雄Jean Moulinの記念式典が行われ、そこにマクロン大統領が出席するということで、昨今のReforme des retraites関連デモの流れで大きめの集会が企画されておりました。

ただ、かなり暴力的・破壊行為をする勢力が混ざってくる昨今、県庁は式典会場付近での活動の中止命令を出しておりました。

とはいえ、ちゃんと申請して行おうとしていた団体としては中止命令に不服ですので、行政裁判所に訴えていたとのことで、結局式典当日の朝に決定が出て、会場周辺での集会は禁止されました。


これ、

  • 5月5日金曜日に禁止が公表され
  • 土日を挟んで
  • 月曜(祝日)朝に決定が出る

というスピード感であったと考えられ、無論日本の裁判でも刑事・民事ともに期限のあるものは休みを吹っ飛ばしてでも対応するのでしょうが、フランスにおける行政裁判所が今回のような決定において示す役割の幅と動きの速さ、加えて権利を制限する行為に対する審査の在り方…など、Reforme des retraites関連で知りましてかなり関心を惹かれる動きが多いです*1


わたくしが法律について専門にしなくなってもう10年が経ちますが、知財の話、プライバシー権の話など、継続して関心を持っている分野はありますところ、この件もちょっと継続して文献など読んでみたいと思っており、いい感じのものがございましたら別途当方にお知らせいただけるととても喜びます(名宛人のない幅広なお願い)。

とりあえず、この夏に帰国したら、

を買う気に満ちあふれています。

*1:別途、フランスでは緊急事態・通常時、権利制限をいかに立法で規律しているのかについてとても関心を持っているところです