このところ相次いで読んだ記事から。
いずれも本題の内容についてここで書くつもりはなく、共通するのが、
子どもの教育のためには東京で住む必要がある(と当事者は思う)
ということが、プロ野球選手や医師という職業(特に前者はとっても稀少)であってもキャリアを左右する、と改めて認識して、我が身も振り返って諸々考えたことを書く。
私自身は東京以外の政令指定都市周辺に実家があり、私立中学受験をし…という流れで、子育てや教育についての感覚は配偶者とかなり近似しており、さらに逐次すり合わせつつやっている。
今は配偶者の仕事の関係で出身地とは違う政令指定都市に住んでいて、適度に都会で、適度に子どもが走り回る余地があり、しかも教育熱心な環境で、結構気に入っている。ただ、これがさらに地方であって、進学先の学校が限られていたらついていったのだろうか、とは思う。家族全員で住むことをとても重視しているのではあるが。
そしてこれに加えて仕事の問題。結婚したときから、いつかどこかに転居する可能性はある、と思っていた。それでもできる仕事を、と模索していたら、私の仕事はとても変なキャリア変遷になった。最初の仕事は大企業の中でしかできないことだったし、専門性が欲しいと思って法務に行ったのは間違っていたとは思わないが、勤務の継続性が担保されていない身には先が見えなかった*1。
これは私が女性で子どももいるから、というところはあるが、共働きで夫婦とものキャリアを考える必要がある「ワーキングペアレント」人員の割合が増えれば男性側が仕事を辞めて動くことも十分ありうる。
企業の上司陣の意識として、
「こいつは◯年後にこう異動させて…」
などという青写真を描いていても、思った通りに動いてはくれない部下がいる(しかし仕事はできるし見込みはある)事案が発生するわけである。このような環境下での人材育成は、本当に難しいと思う。
今の中間管理職世代は、上からは時にパワハラ気味のマイクロマネジメントを受けてきたにも関わらず、下に対してはサーバントリーダーシップを発揮しろと言われたり、個を見ろと言われたり、突然1on1をやれと言われたりで大変だろう…と、外部者として見ながら応援したい気持ちでいっぱいである。
ただ、環境を変えるのはやはり現場だし、現場を率いる各所のリーダーが変わる必要はどうしてもある。
それに加えて、ある程度の分量の仕事を地方でもできるようにすることで、家庭の事情が発生したとき、これまではall-or-nothingで働くか辞めるかだったものを、緩やかにでもいいからつながり続けることが可能になると良いかもしれない。ただこれに、子どもの教育という、本稿最初に述べた変数を加えると本当に解が出ない。まあ、簡単に答えを出せるならみんな苦労していないんだけども。
→この辺りのことを考えるにあたって読んだものなど
- 作者: 金井寿宏
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 新書
- 購入: 6人 クリック: 39回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
- 作者: 本間浩輔
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
*1:あとは地方における専門職の給与水準の問題も。当地での法務の求人は金銭的に見合わない